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京都 二日目 萩尾望都 たましいの創造性

京都文教大学臨床心理学部主催のシンポジウム
タイトルは「心理臨床と地球の未来ー31世紀のこころを占うーこころと創造性 たましいの描き方」
コーディネーターはこの大学の臨床心理学部教授である濱野清志さんと大学の客員教授で心理占星術研究家の鏡リュウジさん。

このために京都に行ったので、何時から並ぶべきなのか悩む。

結局、ファン友と一緒に早めのお昼をとり、2時間前には会場に。
って、どんだけファンなの?

001_3でも会場前の廊下にカフェのようなテーブルと椅子があったので、マンガのお話しながらあっという間の待ち時間でしたよ。

☆整理券番号:1 ちょっと嬉しいかも☆

臨床心理学科主催ということで、やはり『残酷な神が支配する』、それと「31世紀のこころを~」のタイトルなので『バルバラ異界』からのお話が主でした。

録音とかしてないので詳しいことは記せないから、ここでは記憶に残ったことだけ。

萩尾さんが読んだサイコパスに関する本の中の詐欺師の話がおもしろかったらしく(詐欺師は見ただけでだませそうな人がわかる)、
「京都駅からここにくるまでに、(通りすがりの人を見ながら)誰がだませそうか考えながら来ました」

↑こういったトコ好きです!

「いい人そうで、自分のことをいい人だと思っている人がだましやすい」
のだそうです。

萩尾 「私にとっては破綻の無いようにお話を作るのは簡単。でもそれでは予定調和の話になってしまいおもしろくない。」
「話をいかに開放させるか、できるだけ枠組みをみせないようにするのか、そこが難しい」

これは、お花を作る時も、ドレスのデザインにもあてはまると思いながら聞きました。端正だけど、おもしろくない花やデザインってあるものです。

ユング派によると、多くの人に受け入れられる話には、なにかしら神話的なものがはいっているのだそうです。ただそれがステロタイプ(定型)なのか、アーキタイプ(原型)なのかということがある。

萩尾 「”あまちゃん”にはまっていて、早起きしてみていた。どうしてこんなにおもしろいのか考えてみたら、あまちゃんにはあいさつシーンが出てこない。たったこれだけのことで、こんなにもお話って面白くなるんだ~、と思った」

何十回言っても同じ間違いをするアシスタントがいて、「あなた何か私に恨みでもあるの?」と怒りそうになると、とりあえず外に出て落ち着く。

と萩尾さんがおっしゃると「どこまでいい人なんですか!」と鏡さん。

萩尾 「怒るとエネルギー使うじゃないですか。だからカーッとなりそうだと場を変える」

サンドラのお墓の前でのジェルミのシーンでは
萩尾 「あの映像が浮かんだ。いや、これはないでしょ。だいたいあんたのせいじゃないか!と打ち消してもサンドラが”私はこうしたいんだ!”と譲らない。イメージが強烈だから描いちゃえ」と。
後に、「ああ、こういうことだったのか」とわかることがある。

萩尾 「悪について普通に言われる「悪」というものもまあ、そうなんだけど大きな枠組みの中に入ると、例えば国家とか~わかりにくくなる」

濱野 「ファンタジーってのは現実から逃れるためのファンタジーだと考えられることが多いけど、そうではない。ファンタジーから力をもらって現実に帰る。ファンタジーがないと現実も生きられない。」

マンガが読めないヒトの話の流れで
読めないヒトは絵だけ、セリフだけ、と独立させて読んでいるのでは?

萩尾 「マンガは音楽のよう。 オーケストラのある楽器だけ聴いてもだめなようにセリフと絵とすべてで成り立つもの(ここのあたりうろ覚え)」

濱野さんと鏡さん、お二人ともかなり萩尾作品を読み込んでおられ、質問なども尊敬が感じられて的確で、安心してお話に集中することができました。

最後の30分は会場からの質問受付。

『残酷・・・』の終わり方についての質問に対して
萩尾 「ジェルミは自分の傷を見つめていきていくしかない。 イアンはそっと寄り添う。
でもそれではおさまらない。まだまだざわついている。
鳥が飛ぶ 川は流れる ・・・・
落としどころを見つけたかった・・・・
それであの終わりに」

『残酷・・・』のなかでよく森が出てくるが?
萩尾 「森には良いイメージを持っている。
太古の神秘の中にさまよっていく感じ」

20代のクリエーターの質問には
萩尾 「創造の仕事をしてると20代のころはいいが、仕事ばかりして30才になるころ壁にあたる。
そういうときは、
オトコをつくる(!)
映画を見る
旅行する
絵画や芸術に触れる」

「ゴッホや○○(忘れた・)が自分の生命をかけて描いた絵なので、そういったエネルギーをまともにうけるのでたくさんの作品は見れないけど、そういったものをじっくり見る」

そこで、萩尾先生はお一人で見ますか?の質問に
「いえ、友人たちとあれやこれや言いながら、です」

嫌いな人、合わない人にはどのように接していけばいいのかという質問に、以前萩尾先生は「続けていくことが大事」だとおっしゃっていましたが・・・の質問。
2008年に高知にいらした時のお話でそのようなことをおっしゃっていましたね、そういえば。
その時のブログ記事

萩尾さんは、あっ、しまった、という表情。
萩尾 「私、そんなえらそうなこと言ってたんですね」

萩尾 「以前は ご縁だから大切にしていきたい と思っていました。
今はもう先も短いことだし(そんなことないと思います!)無理しない。
方向性が違う
見えるものが違う
会ったあとつらい思いが残る
そんなひととは会わなくてもいいのじゃないでしょうか」

とにかくヒトの話に丁寧に耳を傾ける方です。
質問の受け答えでも、ごまかしなくお話なさるのが良いです。
ユーモアもあるし。

萩尾望都さんの作品は小さいころからずっと好きで、作品からもたくさんの愛のような何かをいただいています。

それだけでも十分じゃないか、と思いつつ、ライヴでのお話を聴けるチャンスがあればつい馳せ参じてしまうのは、お話を伺うと元気になるから。
お話を聴いたあとの「受け入れられた」感がハンパないですね。

最近読んだ本でお勧めの作品は?の質問に
『時の旅人 クレア』を挙げられました。

008早速購入しましたよ。

英語で書かれた本なので、まあ原書で読もうかな。

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コメント

prenom:

Kaoriさん

こんにちは。ブログを書いてくださりありがとう。当日もいろいろとありがとうございました。

「占う」というシンポジウムのタイトルからどのような内容になるのか想像しづらかったのですが、Kaoriさんの予想通り、主に『残酷な神が支配する』のお話しでしたね^^ 鏡さん濱野さんの萩尾さんのたて方も上手で3人のお話しがとてもバランスがよく興味深く、いいシンポジウムだったので、会場後方が空いていたのがちょっと勿体無く感じましたが。深いお話をたくさん聞くことが出来ました。ご一緒出来てよかったです。

桂離宮と隆兵そば他のレポも楽しく読ませて頂きましたhappy01

Kaori:

ほんとうに実りあるシンポジウムでしたね。

皆さんのお話が、かみ合っていたので、聞いていて心地よかったです。
このメンバーで3回シリーズとかにしてくださってもまったく問題ないと思います。

当日、終わったあと、感動を共有できる方たちとご一緒できたのは、幸運なことだと思います。

こちらこそありがとうございました。

投稿: prenom | 2014年7月23日 (水) 22:25

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