カテゴリー「BOOKS」の70件の投稿

The Lady’s Maid 再読

001 ダウントンアビー のシーズン4が始まってから、英国の貴族階級の生活や仕える人たち、その時代に関しての質問を受けることが増えました。

そこで、同時代を生きたメイドによるこの本を再読してます。
以前に書いた記事は The Lady’s Maid 『おだまり、ローズ』
翻訳本は『おだまり、ローズ 子爵夫人つきメイドの回想』

前回読んだときには、子爵夫人とそのメイドという立場でありながら、稀有な関係性を築き、時によっては丁々発止のやりとりをする二人の会話に目が行ったものです。

今回は、サディスティックで皮肉屋のアスター夫人に、痛めつけられて人格がぼろぼろになりそうになったローズが反撃に出る、それに至る瞬間の描写が最も心に残りました。

関係性が変わるのって一瞬。

ある日ローズはアスター夫人に疲れ切って横になり少しの間休む。起きた時、ローズは自分が間違っていた、と思う。

自分が夫人に踏みつけにされるままにしていたこと
夫人に対して自分自身を守ってこなかったこと

これらが間違っていたことに気付くんです。

気づきがあってからのローズは、アスター夫人が間違っていると思えた時(よくある)には臆せず指摘したり、気づかせるような受け答えをしたり。

そしてそれ以後、35年間ずっと
”neither of us won, neither of us lost”
という関係でありつづけたのです。

この二人のような関係って時々見かける関係ですよね。
夫婦だったり、親しい友人、同僚・・。

でも人と人は、どちらが勝つのでなく、負けるのでもなく、という関係であってほしい。
時々勝ったり負けたりって感じが、実際は多いのかもしれないけれど。

ところで、なにがローズに気づきを与えたか。

横になってた時にぼんやりとローズが考えていたのは幼いころヨークシャーで過ごした日々。
貧しい両親がローズに与えた精一杯の教育。愛情にあふれた家族たち。

それらを思い出すことによって自尊心を強く持ちアスター夫人に向かって行けたのだと思います。

小さいころに受ける愛ってホント大切なのね。

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襟付きに挑戦

ウールジャージーのドレスを仕上げた。

002 最近お気に入りの姫袖。
袖部分だけ綿オーガンジーで透け感あり。
う~ん、こうしてみると5部袖がバランス悪いような。

7部袖に作り変えるかもしれない。

003 襟も綿オーガンジー。

ソーイング、習ったことなくて、自習で新聞にパターンを作ってる私。
やっと好みの襟を作ることができるようになった。

どうやって?

そ・れ・は

005 この本のおかげ!

『誌上・パターン塾 トップ編』 文化出版局 発行

006 基本の襟のパターンづくりだけでなく
「もうちょっと大きくしたいな」
とか
「もうちょっと首から離れた襟にしたいな」
とか
お好みに合わせて作る方法を教えてくれるの!

自己流で、「こんな感じでいけるかな?」
作って、まったく頭の中のデザインと違ってしまい
何度も何度も仮縫いしてたのが嘘のよう。

ぴたっと一回で私のデザインどおりのパターンがひけます。

007 本の表紙にある
『デザインは無限大』

そのとおり!

ボトム編もでてほしい。

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A PRISON DIARY 『獄中記』

ジェフリー・アーチャー、A PRISON DIARY 三部作がイギリスから届いた。

001アーチャーが61歳の時に、偽証罪(にしてはありえない重い罪)に問われて監獄入りした時の日記。

日本はおろか、イギリスの刑務所の日常なんてまったく知識がなく読んでいるので、なにもかもが新鮮で興味深い。

まだ一冊めの半ばを読んでるけど、そこまででまだたったDay 10ー10日め! 
おそろしく丁寧に、最初は毎日のルーティン、少しずつほかの囚人たちとの交流ー心通うものもあれば、恐ろしい話を聞いたりもーなども細かい。 こうして細かく書いていくことで、打ちひしがれた自分の心をかすかにでも慰めていたのでしょう、ちょっとくどいとこも仕方ない。

ただ、自分を客観視しているので、湿っぽくなりすぎるところはなくさらっと読み進めていけるところが上手。

刑務所の様子を書いた後、

This is Great Britain in the twenty-first century, not Turkey, not Nigeria, not Kosovo, but Britain.

とあり、じっさい体験したからこその驚きだろうなぁ。
私もびっくりしましたが。

英国の知られてない事実を知るために読むのをおすすめ。
日記形式なので英語もさほど難しくないですよ。

なんといっても3冊めの『天国編』はまだ翻訳されてないみたいだしね。



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英語多読

英語のレッスンで使ったり、生徒さんにおすすめしたりできるかも、と注文したジェフリー・アーチャーの短編集。

001_2 開くといきなり21ページ
???

え?
ジェフリー・アーチャーの本なので何かのトリック? とか?

何度も何度も見てしまいました。

やはり落丁のよう。

今まで多くの本を読んできたけど、1~20ページまでごっぽりの落丁なんてうまれて初めて。

ほかは大丈夫かなと、確かめるために少し見始めると読む手が止まらない。

なるほど、page-turner といわれるはず。 
そんな深い感動はないですが(あくまでも私には、です)、それからどうなるのか気になって本を置けない。あっという間に半分ほど読んでしまった。

いけないいけない、早く交換に送り返さなきゃ。

いや~、いいですジェフリー・アーチャー。

英会話上達法のひとつに、多くの英語で書かれた本を読む、という方法があるのですが、
さほど難しい表現は出てこないこの本、英語学習者にはおすすめ!

なにせ、本を置こうと思ってもやめられないですから。
辞書などひかずにずんずんと読み進んでいってください。

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高知県立文学館で妖精になってみた

019 文学館といえば、高知にゆかりのある文学者、宮尾登美子、寺田寅彦などに関する展示が常設されていますが、現在企画展は「FLOWER FAIRIES~世界で愛される妖精たち~」と銘うって、シシリー・メアリー・バーカーの世界が紹介されています。

あさって6月28日 日曜日までなので滑り込みセーフでした。

022 私の持っているのはこの豆本だけ。これでも4作品が収納されてます。

001_2

階段からすでに展示が始まる。
大きな絵で見ると細部が美しく、詩も英語でも書かれてあったので、つい読み込んでしまいなかなか2階までたどりつけない・・・。

003_2 004せっかくだから、めいっぱい楽しもうと「妖精ワークシート」なるものをいただいて周ってみました。

メアリー・バーカーについてだけでなく、英国の妖精についての知識も増えますよ。

011 四季のディスプレイが素敵でした。
オークの木のフェアリーがいいな。

柳の木のフェアリーは流れる水に足をぱしゃぱしゃしていて、そういえばイギリスの柳 willow treeはその先を川につけていたな、などといろいろ思い出しました。

メアリーバーカーの描く花々、木々、雑草ってEnglandでは、どこにでも見ることができる誰にでもなじみがある植物ばかり。 

とーっても懐かしくなって、イギリスに帰りたくなってしまいました。

015 018羽をつけて妖精のふりをしてみましたが・・・。 天使の羽はなんだかお疲れモードで残念なことになってしまった。

私は着替えず自前の服のままでしたが、ちゃんと衣装も用意されています。

子どものだけでなく、大人用のもあり、白いドレスと、ピンクの2点。
あさってまでの企画ですが、あさってはメアリーバーカーのお誕生日。
先着100名にプレゼントがあるんですって。

さあ、あなたも、文学館で妖精になってみましょう!

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The Lady’s Maid 『 おだまり、ローズ』

001ナンシー・アスターってご存知?

アメリカ出身で、英国でアスター子爵夫人となり、英国初の女性国会議員で社交界の花だった女性。

そのレイディ・アスターつきのメイド、ロジーナの自伝と聞くと、噂話的な、内部告発的な、なんとな~く嫌な感じも少しして、読むまでにちょっと時間がかかりました。

ロジーナは1899年生まれ。この本が出されたのが1970年代。

There have been others who have written of my lady’s personal and political life. Some have spoken highly of her, others have been savagely critical. I am not like any of them. To begin with I haven’t the use of words that they have, nor have I their education or their kind of background, so I was kept away from the parts of Lady Astor’s life that I was not able to understand and have written about those that I could. This may have given an uneven portrait of her, but everyone has to write from a position and mine was at least one that kept me in contact with her every day for thirty-five years.

前書きのこの文章を読んだだけで、頑固で正直そうなロジーナ(ローズ)の人柄が浮かび上がってきて好きになりました。

レイディ・アスターもなかなかに勝気で確固たる意思を持っている女性、かつ気まぐれ。
そういう強烈な個性の二人なので当然ぶつかりあい多発。

メイドが言い返せるってこともすごいですが、女主人とメイドという立場がありつつも、そういうことがあったからこそ絆が深まっていくという、小説よりも奇なりな話なのです。

気の利いた言葉のやり取りができる、その意味では同じくらいintelligentな二人なのでしょう。お互いへの尊敬が育ってきて、なんともいえない幸福な気持ちにさせられます。

イギリスのお屋敷での生活がどのようにまわっていたか、へたなドラマよりも映像的で、わかりやすく書かれています。ロージーおばあちゃんの昔話をお茶を飲みながら聞いてる感じ。その昔話にバーナード・ショーやチャーチルも出てくるのがちょっと違う。

『日の名残り』や『エマ』が好きな人、イギリスのカントリーハウスでの貴族階級の暮らしぶり、特にDownstaires(お屋敷使用人)に興味のある人、そうでなくても英国に少しでも関心がある人におすすめ。

翻訳も出版されてますが、平易な英語なのでイギリス版のほうも是非手にとってください。

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スローファッション

スローフードという言葉は聞いたことありますよね?

ではスローファッションは?

001_2最近読んだ『ファストファッション』のなかで初めて出会った言葉。
ザックリ言うと、ファストファッションでない衣類。

私は身に着けるものにはこだわりのあるほうだと思う。

そんなわけで、なかなかお店には気に入るものがないので、以前は注文服だった。それでも私の頭の中のデザインどおりには仕上がらず、今はほとんどのものは自分で縫うようにしている。

素材は綿、麻、ウール、カシミア、ときどきシルク、もしくはその混合ときめて。

ただしコートを仕上げるのは無理なので注文に出し、ニットも1週間ほど考えてからの購入。(ここでスロー?)

あと、昔の自分のよい布の服をリフォームしたり。

こんな暮らししてる人いまどきいるのかな?と思っていたら、あらら、私のしてることはスローファッションなのね。 それで、著者によると、どうやらもしかしてこれからの最先端に?

手に取った時は、格安ファッションチェーンの裁縫工場の悲惨な労働条件とかのことについての本かな、くらいに思っていた。
それももちろんある。でもこれほどまでに衣料品に経済問題も環境問題もが凝縮されているとは知らなかった。

皆が格安価格に慣れることにより、質のよいきちんとした仕立ての服を作っていた中間価格帯の企業は続けていけない。
それに、衣類が作られるのには、環境にかなり負荷がかかるため、安い衣料を買っては捨てるという大量消費するファストファッションの罪は大きい。

衣料ごみの行方はショック。

そこで、著者がすすめるのがスローファッション。

著者もこの取材の後、裁縫のクラスに通い、手持ちの服を本当にぴったり合うように自分でリフォームしたり、ブーツも捨てずに修理してもらったりするようになった。

じゃあ皆裁縫をしなきゃいけないのか。

そんなことはないけれど、自給自足するのは楽しいですよ、って私は伝えたい。

作るのはとても無理、という人も、衣類の購入数を減らし、買うものを厳選すること。
手持ちの自分に合うものを、時が経ってもお直しなどして大切に着ていくこと。
そうすることで、今の大量消費の流れから離れることができる、というのが著者の主張なので、大丈夫。

この本の副題は
The shocking high cost of cheap fashion

格安のファッションは高くつきますよ ってこと。
地球にとっても、私たちにとっても。











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旅行のあとで

005 ヨルダンから帰ってきて、ますますT E ロレンスに興味がわいて、Revolt in the desert を読み返してます。

映像では見たことがあっても、実際その地を訪れると、ただ想像してていたのとはやはり違った。

距離感や、砂漠の空気、風や熱、そしてベドウィン・・・

ほんの9日の旅行だから、それはうわべだけのものというのは承知だが、それでも前よりはもっと実感を伴って読み続けていけるし、以前より面白く感じる。

私がロレンスに出会ったのは中学校の時、学校内のホールで上映された「アラビアのロレンス」だった。私の世界史の先生(アラビア語辞書を編纂していた)の推薦で選ばれたらしいとあとで知った。

歴史的なことに無知だったので、ただただ砂漠の美しさ、アラブの難しさ、ピーター・オトゥールの目の青さ、砂漠の中の白い衣装の輝き、などが印象に残った。

そんな映画から入っているので、私のロレンスはかなりバイヤスはいっているのを承知で言うけど、私はロレンスがかわいそうで仕方ない。

ロレンスは本当にアラブの統一独立国家を夢見たのだと思う。
でも、裏で英国初め大国の政治や思惑はまた違うところにあり、気づいてみたら自分はそんなつもりはなかったにしても、アラブを裏切ったことになったことに苦しんだと思う。 

誰かが、ロレンスのことをカメレオンのようだ、と言ったように、ロレンスは正反対の気質を併せ持つかなり多面的な性格だったので、事はもっと複雑なのでしょうけどね。

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メイドの生活

002 『英国メイド マーガレットの回想記』に続けて『One Pair of Hands』を読んでいます。

どちらもイギリスのメイドだった女性が書いたもの。

今まで読んだ英国の多くの話にメイドはでてきたものの、Upstairs がお話の中心だったのでこのようにメイド自身からみた家の中の出来事は興味深かった。

あたりまえといったらそうなんだろうけど、マーガレットの話はひどい扱いをされたものが多くてつらいです。『エマ』や『バジル氏・・』なんかの使用人たちは本当にご主人に恵まれた稀なケースなんですよね。

女主人に「けっしてけっして、たとえどんな時でも、素手で私に何か渡したりしないでちょうだい。いつも銀の盆で渡すこと。それくらい知っててあたり前でしょう。」と言われ、直接ものを受け取りたくない下等な存在と思われてることを感じて、そのあとぽろぽろ泣いてしまうマーガレット。家に帰りたいけど家には居場所がないし。(精神的な居場所でなく、物理的にない)

それにくらべてモニカ・ディケンズのほうは、少しは耐えるけれど、口答えもするし、我慢の限界だと思うとさらっとやめてしまう。

モニカはもともと「社交界デビュー」も果たしたお嬢様で、家族に「メイドになるなんて冗談でしょ」と言われながらはじめた仕事。家から通う’dailies’なので ’living in cook’のマーガレットとはまったく違う。

マーガレットは料理学校に行くお金もないので、料理も覚えるでしょう、とキッチンメイドに。モニカはしっかり料理学校に通い、家族旅行でアルザス地方に行き、そこでの体験も料理に活かしたり。

どちらも働く家は何軒か変えているので、キッチンだけでなく階上の様子も子細に渡り描写され歴史もので知るよりもずっとそのころのことがわかる。他の時代のメイド自身の話ももっと聞いてみたいな。

今の私はこういうメイドのいる生活にふれる機会はないですが、近いのはホテルに滞在するときかな。

マーガレットが経験したメイド生活で唯一夢のように素晴らしかったダウノール卿のお宅では使用人問題は一度もなかった。そこで働く使用人たちは自分は本当に大切にされているのだという感覚があり、使用人はこころから雇い主を尊敬していた。

私は大型ホテルは好きでなく、プールがあるとかよりもサービスが心地よいかどうかが滞在するホテルの決め手。ホテルで働いている人たちがドアマン、受付、お掃除の人にいたるまでみんな機嫌の良いホテルでないと嫌。
そんなのあるの?って思うでしょ?でもあるんです。

そんなホテルは一歩足を踏み入れただけでわかるんです。高級だからといってそうなるわけでもない。

やはりね、自分自身Happyでないとお客様をHappyにするために何をしたら良いかなんて真剣には考えないものですよ。それと働いている人たちに眼が届いて雇い主との良い関係が築きやすいからか、小さめのホテルのほうが気持ちの良い場所になる確率は高いみたい。

きっとこのダウノール卿のお宅のようにそこで働いている人たちを大切にしているところは、働く人たちもその場所を雇い主を愛して、自分のできることをさがして毎日より良くしていこうという気持ちになり、その場所自体に清らかな朗らかな気のようなものが宿ってくるのだと思う。

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図書館○○シリーズ

なんとか競歩?での図書館通いは続いてます。

ただ往復40分はかかってしまうので図書館では10分に以内におさめたい。古典以外は普段ノンフィクションばかりで、まったく物語を読まない私。つい手に取った『図書館戦争』シリーズ(有川浩)にはまりつぎつぎと借り読んでしまった。

夜眠る前が読書タイムなのですが、このシリーズは読み出すと止まらなくなり、睡眠時間が削られて大変だった。このペースでは一晩一冊ですぐにシリーズ4冊+別冊2冊を読み終えてしまいそうでもったいなくて、図書館にすぐに行かないようにして我慢したりもした。

最初、設定が設定ー知る権利や表現の自由を守るための武装ーだけに読めるか心配だったが戦闘シーンは想像よりも少なくてほっ。

一応図書館司書の資格も持つ私なので、「この図書館で働く私」を想像(妄想)したりも。柴崎のようにはなれそうもないけど、愛があるので本は守るよ!

まっすぐで乙女な主人公の郁はもちろん、相手役の堂上、郁とは正反対の同室の柴崎や手塚、小牧・・・シリーズを読み進めると皆に愛着を感じて応援してしまう。

シリーズすべての最初にある図書館の自由に関する宣言

一、 図書館は資料収集の自由を有する。
二、 図書館は資料提供の自由を有する。
三、 図書館は利用者の秘密を守る。
四、 図書館はすべての不当な検閲に反対する。

図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。

今現実の報道などをみていてもなんとはなしに規制とか考えてしまい、もしかしたら「茶色の朝」はもう来ているかもしれないと思ったりもする今日この頃。

読み方によってはなかなかきわどいものを内包していながら、こういった「ラブあり」の堂々エンターテイメントに仕上げた有川さんの手腕に脱帽です。

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